マンションの管理体制:マンションひろば

マンションの管理体制

マンションといえば、かつては「一戸建てを構えるまでの一時的な住まい」あるいは
「将来の値上がりを見込んだ投資手段」と割り切る感覚が強かったのではないだろうか。
ところが近年、マンションを「終生の住まい」と捉える意識が高まっている。


建設省(現・国土交通省)が全国主要都市圏の分譲マンション管理組合2000件と居住者4万人を対象に実施した1999年度マンション総合調査によると、
現在住んでいるマンションに「永住するつもり」と答えた人は前回調査(93年度)の31.0%から39.0%に急増。
半面、「いずれ移転するつもり」という人は41.1%から31.5%に減り、永住派が仮住まい派を逆転した。


国土交通省は「生活の利便性を重視して都心部のマンションに住まいを求める傾向が強まっていることと、
居住性の優れた分譲マンションが増え、永住できる住環境が整ってきたことが要因」(マンション管理対策室)と分析している。


同省の統計などによると、分譲マンションの供給はここ数年好調で、1995年から2000年まで毎年17万-20万戸が新たに建設されている。
全国のマンションの累積戸数は2000年で382万戸に達し、住んでいる人は1000万人を超えた模様だ。
このようなマンション居住者の増加と永住志向の高まりを背景に、「マンション管理」の重要性がクローズアップされてきた。
マンションの経年劣化を最小限に防いで、機能や資産価値を維持するために、より効率的な管理を望む声が日増しに高まっている。


マンション管理と一口に言っても、上下水道や電気系統、エレベーターなど共有設備の維持・管理などから、
居住ルールの制定・運用、建物の修繕積立金の管理・運用などまで多岐にわたる。
こうした管理はマンション購入者(区分所有者)全員で構成する管理組合で行うのが原則で、練馬区の組合自身が自主的に取り組んでいる例もあるが、
一部または全部を専門業者に委託しているのが一般的だ。


管理業者については、マンション分譲会社が最初から委託先を決めていることが多い。
先に触れた1999年度マンション総合調査でも、分譲会社の提示した業者に委託する割合が87.7%にのぼり、
分譲会社が事実上の「指名権」を握っているのが実態だ。
ただ、業者にすべて任せっぱなしにしておくと、場合によっては大小様々なトラブルを招く恐れもある。
マンションの管理体制についてである。また、例えば、本来必要以上の管理費を毎月支払わされたり、施設の修理や機器類の交換に思わぬ費用がかかり、ある日突然、追加負担を請求されることもある。


修繕積立金に関するトラブルも深刻だ。マンションは老朽化や劣化が進んだ場合の修繕が不可欠であるため、
修繕費用をあらかじめ区分所有者から毎月徴収して積み立てておくのが一般的。
この積み立てまで業者に任せきりにしておくと、管理組合名義ではなく業者名義で預金してしまうことがある。
そうすると、最悪の場合、修繕積立金がいつの間にか他の目的に流用されてしまったり、
管理業者が倒産したため積立金を取り戻せなくなってしまう事態もありうるのだ。
実際問題として、築後10年以上経ったマンションが13万戸に達した1980年ごろから、管理をめぐるトラブルが増え始めている。
そこで、国土交通省は管理組合が定める管理規約の標準文書を作成したり、管理業界に対して管理適正化を求める通達を出すなど、一連の改善策を打ち出している。
また、2000年12月には「マンション管理法」(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)が成立、2001年夏にも施行される見込みだ。
管理組合に対して助言・指導する専門業として「マンション管理士」という国家資格を創設することが柱で、マンション管理会社の登録義務付け
(登録には国土交通省が定める資格試験に合格した管理業務主任者を置かなくてはならない)なども盛り込んだ。
新法がうまく機能すれば、マンションの管理体制を解説すると、マンション管理をめぐるトラブルが減るかもしれない。
とはいえ、単に法律や制度だけが整備されたとしても、実際にマンションを買い、そこに住む人たちが法や制度を理解し、
未然にトラブルを避ける方策を講じなければ意味がない。
マンションを上手に管理するには、居住者一人一人が意識と知識を高めることが何よりも重要といえる。